短歌四首

やましさが案山子のように立っているからだを抜けてくるのか歌は

触れることは届くことではないのだがてのひらに蛾を移して遊ぶ

後ずさりできぬ鳥たち   二人称をずたずたにする夕焼けだった

皆殺しの〈皆〉に女はふくまれず生かされてまた紫陽花となる
 

Source: Poetry (June 2025)